COMITIA100 ごあいさつ

今日が楽しくにぎやかで、記憶に残る一日になりますように。

何と言ったらよいのかわかりませんが、とうとう100回です。

'84年の第1回から今日までの28年間。その間に参加してくれたサークルは数限りないけれど、その人たちのおかげで今のコミティアはあります。みんなが作品を描いて、誰かに読ませたい!という気持ちがなければ、コミティアは生まれなかったし、ここまで続くこともありませんでした。そこに作品があるからこそコミティアは今まで続いてきたのです。

そして、この記念すべき回をなんと5600サークルという史上最大の参加数で迎えることになりました。これまでの最大が前年同期の3600サークルですから、いきなりその1・5倍の規模になります。コミティアは新しいフェーズに入ったと言えるのかもしれません。だからと言ってやることは変わりませんけれど。

なお、募集数を大きく上回る申込となりましたが、今回ばかりは落選を出すのはあまりに忍びなく、レイアウトを工夫して、何とか全ての方に参加してもらうことが出来ました(一部書類不備を除く)。

会場中央には「100回記念展示コーナー」を設けています。過去のチラシやティアズマガジン表紙のポスター展を中心に、ペーパーラリーや、お祝いメッセージ、閉会後の鏡開きなど、参加者の皆さんと一緒に楽しむ企画が多数ありますのでぜひ参加してください(詳細はP433~)。

また、このティアズマガジンでも、「ティアズマガジン100全記録」と題して、過去のインタビュー記事などの作家リストをP62から掲載しています。これまでどんなサークルがコミティアに参加し、ティアズマガジンで紹介されたのか、記録を元に「コミティアの歴史」を振り返るページになります。

あらためてその作家リストを見返していると、取材した描き手たち一人一人の顔や、絵柄や、本の表紙が脳裏にまざまざと浮かんできます。第1回からずっと参加してくれている人もいるし、もう描くことから遠ざかっている人もいるでしょう。デビューを果たし今はプロとして活躍中の人もいます。

うれしいのは、この記念の日にそんな懐かしい人たちが、「久し振りに同人誌を作るよ」と言いながらたくさん参加してくれたことです。

その中の幾人かはお祝いの言葉と共に、「コミティアは『ふるさと』だと思っています」というメッセージをくれました。

それはとてもうれしく面はゆいことですが、一方で、コミティアが誰かにとっての「ふるさと」になれたことはとても素敵なことだと思いました。

例えばそれは、作家としての成長を育んだ「思い出の場所」かもしれません。あるいは、離れていても「いつか帰って来れる場所」なのかもしれません。

だからこそ、自分がそこにいなくても「ふるさと」は元気であって欲しいし、こんな大きな節目には同窓会のように参加しようと思ってくれたのでしょう。

遙か昔「コミティアはずっと続けます」と宣言した時に、こんな20数年後のことなど考えてもいませんでした。ただ、発表する場所は確保するから長い目でいい作品を描いて欲しい、という描き手へのメッセージのつもりでした。

それがいま、たくさんの描き手に必要とされる場となり、こんなにも面白い作品が数多く集まるようになったのは、ひたすらそう願って模索しながら続けてきたからでしょう。

「夢は見続ければきっと叶う」と言うつもりはありません。ただ「何かをずっと続けていたら、きっと良いことがあるよ」ぐらいは、いま100回を迎えて、言ってもいいんじゃないかと思います。

「ふるさと」のあるべき姿をつねに問いながら、コミティアはいつも、これまでも、これからもここにいます。それが今日、参加してくれた全ての人への約束です。

最後になりましたが、本日は直接5609のサークル・個人の方が参加しています。

サークル参加の方々へ、今日の主役はあなたがた一人一人です。どうぞ自信作をみんなに披露してください。

一般参加の方々へ、あなたはどうぞよき観客であってください。力の限りの拍手(感想)をお願いします。

この記念の日が、楽しくにぎやかで、記憶に残る一日になるように心から願っています。

2012年5月5日 コミティア実行委員会代表 中村公彦


「ティアズマガジンのごあいさつ」総集編がコミティア100当日発売になります。著者の中村公彦本人が「100回記念展示コーナー」内の販売ブースに立って直接手売りしますので、どうぞスペースにお訪ねください。〔A5版/総200頁前後/予価1000円〕

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