COMITIA101 ごあいさつ

100回は有難うございました。101回からもよろしくお願いします。

あらためての御礼になりますが、前回5月5日のコミティア100にはたくさんのご参加有難うございました。参加サークル5600、総来場者約3万人という規模は、こうしたオリジナルのマンガ中心のイベントとしては未曾有のことと言えるでしょう。

私は会期中の殆んどを、この「ごあいさつ」の総集編の販売ブースに居たので、あまりスペースを回ることはできませんでしたが、会場全体から伝わってくる物凄い「波動」のようなものを感じていました。たくさんの人が作品を発表し、たくさんの人がその中から気に入った作品を購入して読む。そんな即売会本来のコミュニケーションの総量が東京ビッグサイト3ホール分の空間にこもって濃厚な密度となり、それは聴こえないけれど確かに聴こえる万雷の拍手のようでした。後日お会いした人たちから口々に「あの日は凄かったですね」と言われて、あらためて「みんな楽しんでくれたんだな」と実感した次第です。

そしてこれまでの28年間にコミティアで出会った懐かしい人たちが、まるで同窓会のように久し振りに会場に来てくれました。即売会の歴史とは、作品の歴史であり、人の歴史でもあります。こんな素敵な人たちにコミティアは支えられていたのだなあ、と感謝する一日でもありました。

また、記念出版となったこの「ティアズマガジンのごあいさつ総集編」は、自分にとってのコミティアに関わってきた個人史とも言える内容だけに、感慨深いものでした。後日幾人もの尊敬する方から、総集編を読んだ好意的な感想を聞かせてもらい、面映いけれど、つくづく書き続けてきてよかったと思いました。一本一本の出来不出来はあれど、続けることによって生まれる説得力もあるのだなあと、思い直したものです。

こんな記念の回にはいつもその記念の企画に振り回され、じっくり感慨にふける暇もないのは毎度のこと。その日を過ぎて、ホッと落ち着いた気持ちで御礼を書かせてもらいました。あらためてどうも有難うございました。

さて、祭りの後にしみじみするのはこれくらいにして、あらためて目の前の101の話です。100は99の次で、100の次は101。即売会としてのコミティアはいつも通り、これまでもこれからも続きます。100が初参加だった人は「あれ?前回より少し規模が小さいな」と感じるかもしれませんが、これが普通のコミティアなのです。

ちなみに5月に比べると参加数は減りますが、前年比では600サークル増とやはり全体の増加傾向は変わりません。これからも初めて参加するサークルや一般参加者は毎回増えてゆくことでしょう。今後は初参加者への判りやすい誘導や、基本的な案内などを考えてゆかねばなりません。その意味では今回の101を新しい出発点にするつもりで、これまでのシステムを見直してゆきたいと考えています。

ということで、お気付きの方も多いと思いますが、今回から「ティアズマガジン」のロゴが変わりました。他にも順次リニューアルする部分が出てくると思います。変わらないことと、変わってゆくこと。コミティアもまた内外の情勢に合わせて、時々に必要な変化をしてゆきます。そうすることで逆にもっとも大切な「核」は守っていきたいと思うのです。

さて次回11月18日のコミティア102では共同開催の形で「海外マンガフェスタ」という企画が行われます。世界各国のマンガ文化を紹介しようというこの企画は、フランス大使館をはじめ各国の大使館の協力によるもの。フランスやベルギーの人気マンガ家が来日し、日本を代表するマンガ家・大友克洋氏と浦沢直樹氏が彼らとトークショーを行います。「えっ、この豪華企画がコミティアで!?」とこちらがビックリしていますが、どうぞ楽しみにしていてください。

今後はこうした外部からの企画も増えてゆくと思います。何しろこれだけの人数のマンガファンが基礎数として見込めるのですから、こういう場所で何かをアピールしたいと考えるのは自然な発想です。コミティアとしても参加者への刺激になる企画はこれまで通り積極的に取り入れてゆきたいと考えています。こちらもご期待ください。

最後になりましたが、本日は直接3368/委託88のサークル・個人の方が参加しています。

今回は大きな企画はなく、あくまで普段着のコミティアです。勿論、主役は机の上の作品たち。前回よりは遙かにゆっくりスペースを回れるはずなので、じっくりお気に入りを探してください。参加サークルの多い少ないは実は大きな問題ではなく、大切なのは本当に欲しい本と出会えるか。即売会の価値はそこにこそあります。今日という日に一期一会の出会いがありますように。

2012年9月2日 コミティア実行委員会代表 中村公彦

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