COMITIA146 ごあいさつ

20年目の出張マンガ編集部

コミティアへようこそ。今回は東京ビッグサイト西展示棟1~4ホール、1Fと4Fに分かれての開催です。フロア移動でご不便をおかけすることもあるかと思いますがご容赦ください。そして12月に開催されるコミティアは1992年のコミティア23以来、史上2回目という珍しい日程となりました。
もともと会場・東京ビッグサイトに提出していた第一希望は東展示棟(1フロア)開催、11月中旬~下旬ごろでした。フロアが分かれるとスタッフとしても管理が大変になりますし、12月は忙しい方が多く参加者が減ることが懸念点。調整の結果こうなったわけですが、全てが希望通りになることの方が少なく、与えられた条件で最善を考えることがイベント運営の現実です。
とはいえ会場と日程どちらも希望から外れてしまうパターンはなかなかありません。原因の一つは東京ビッグサイトの稼働率が上がっていること。この約3年間で休止したりオンライン化したりしていたイベントが続々と復活し始めているからでしょう。こうした中で気になっているのは、来年から毎年春に開催されることになった「フォーミュラE」。このカーレースは東京ビッグサイト内の敷地および周辺の公道で行われ、その間は全館利用不可となります。その期間は約4週間という話もあり、その影響に今から戦々恐々としています。

さて今回サークルのジャンル調整を行いました。大きな変更は「イラスト」と「アダルト・成年向け」をそれぞれ3つに細分化したこと。イラストは「かわいい・おしゃれ」「萌え・美少女」「その他」、アダルト・成年向けは「男性向け」「TL・創作男女」「その他」に分割。この二つのジャンルは同じ傾向の配置を希望するサークルが特に多く、その強い要望に応えたものです。分類には限界があり、作風をカテゴライズすることに抵抗がある方もいるはずですので、どちらも「その他」を用意しています。
また、「ゲーム・ソフト」を廃止し、「音楽・映像」を「音楽・映像・ゲーム」に変更する形で統合しました。これはどちらも申込数が少ない状況が続いており、繋げて配置することが多かったため。「ソフト」という言葉はあまり使われなくなっているため削除しています。

前回から大きく盛り上がっているのが『出張マンガ編集部』。前回のコミティア145で持込件数が2400強と過去最多の記録を更新。今回のコミティア146に参加する編集部の数は139誌・86ブースとこちらも過去最多となっています。前回は大量に落選が出てしまったので、今回は面積を大幅に拡大して受付することになりました。話によれば今マンガ業界全体で描き手が足りていない状態だそうです。コロナ禍で出展や持込を断念していた方も多いはずで、そうした事情が数にも現れているのでしょう。
そんな出張編集部ですが、コミティアが発祥ということは意外に知られていないかもしれません。初めての開催は20年前となる2003年のコミティア63。きっかけは、同会場で作品展を行うアメコミ出版社Marvel(マーベル)がアーティストの持込受付を希望したこと。当時の代表(現・会長)の中村公彦は、この希望にあわせて日本の出版社を巻き込んだ「出張マンガ編集部」のアイデアを閃きます。呼びかけに応じてくれたのは6つの編集部。反響が全く読めない中で恐る恐るでしたが、蓋を開けてみれば大盛況。好評を博したことで、2006年のコミティア75から毎回開催する企画に昇格します。最初は頼み込んで出て貰うことが多かったものの、ここから有望な新人やヒット作が出ることが知られると、出展したいという要望が増加していきます。10年目の2013年に60編集部、35ブースの規模になった時点では、もう天井が近いという感覚で、さらに倍以上に拡大することは想像もできませんでした。かつて同人誌と商業誌の間には縄張り意識とも言える大きな壁がありました。この隔たりを緩和することは、当初の目的の一つだったはずですが、それは見事に達成したのではないでしょうか。
これまでの20年で総持込件数はおよそ9万件。まさに星の数ほどの出会いがあり、この場がなければ生まれなかった作品が数多く生まれました。これは「表現と向き合う場」であるコミティアならではの発明でしょう。今後も改善を図りつつ、場を提供していきたいと思います。
そして来年はコミティア40周年を迎えます。1年を通して祝っていく予定です。多くの人に参加して貰うため、年間の開催スケジュールを特別に早く発表しました(40周年特設ページ)。ぜひ参加をご検討いただければ幸いです。

本日は4201のサークルが参加しています。前述の通りの条件にも関わらず沢山の申込に感謝します。今回で2023年のコミティアはラスト。個人的には新代表に就任し、慌ただしく過ごした1年でした。そんな身からしても20年、40年という長さには気が遠くなりますが、それらは数多の「今」を積み重ねた先にあります。まずは今日のコミティアを存分に、大切に楽しみましょう。

2023年12月3日
コミティア実行委員会代表 吉田雄平