文化庁メディア芸術祭の受賞作品発表!

代表です。
昨日は文化庁メディア芸術祭の受賞作品の発表がありましたね。
マンガ部門では、今年はコミティアに縁のある作家も何人か受賞されていました。
とくに顕著だったのが新人賞部門です。

おざわゆきさんの「凍りの掌~シベリア抑留記~」は元々同人誌で発表された作品が小池書院から商業出版されたもの。おざわさんはもう20年を超えるコミティアの常連であり、長くコミティアを支えてくれている作家です。とくに本作は、実父の体験したシベリア抑留を聞き書きしたたいへん重いドキュメンタリー作品で、ある意味で同人誌だから描けた作品とも言えるかもしれません。それがこういう形で評価されたことを心から喜びたいと思います。

「千年万年りんごの子」で受賞した田中相さんも、サークル「誰がそれを」で常連さんでした。現在『ITAN』(講談社)で活躍中。独特の世界観で人気を博しており、各マンガ賞でも評価の高い作家です。受賞作は本人にとっても初連載作品で、何より嬉しい評価でしょう。

「ぼくらのフンカ祭」で受賞した真造圭伍さんも、自主制作漫画誌「ジオラマ」の執筆メンバーの一人。軽妙な作風で大いに楽しませてくれました。ご本人は『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で活躍する新鋭でこれからに期待がかかります。

また、審査委員会推薦作品に挙げられた「アルキヘンロズカン」のしまたけひとさんも、昨年ティアズマガジンのFrontviewでインタビューさせてもらったサークル「相模屋」の國津武士さんの別ペンネーム。こちらも同人誌作品が双葉社から商業出版されたものです。一度は廃業を決意したマンガ家が四国のお遍路を回りながら再生してゆく物語は、作者自身にもダブるところがあり、今回の受賞にはなんとも感慨深い思いがあります。

そして大賞を取った「闇の国々」のブノワ・ペータース/フランソワ・スクイテンのコンビは、11月のコミティア会場で行われた「海外マンガフェスタ」でゲストとして登場したばかり。何かこのタイミングでの受賞に不思議な縁を感じますね。

そんな訳で、今回はとりわけ嬉しい結果となりました。
あらためて受賞者の皆さんに心よりお祝いを申し上げたいと思います。

受賞作品展は、2013年2月13日~24日に国立新美術館で行われます。
入場無料とのことですので、ぜひ観に行ってみてくださいな。

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