一方、一般参加者は同じ日で両方回れてラッキーという人も多いようです。海外からの来場者が多かったのもその影響でしょう。今回もティアズマガジンが予想以上に早く売り切れてしまいました。ワンフェス効果はやはり侮れません。
なお、以前コミックシティの日程とバッティングした時もコミティア来場者への誘導が少なくて不安だったという声があり、前回より東棟へのブリッジに案内看板を出すようにしています。アンケートでも具体的な提案があればその都度検討していますので、遠慮なく意見を聞かせてください。
もう一つの企画はすっかり定着した出張マンガ編集部。なんと18誌の出展にはこちらも驚きました。それだけ外からコミティアが注目されているのは嬉しいことです。今回は4コマ誌やイラストの持込受付もあり、バラエティに富んだラインアップとなりました。
アンケートでも「持込みをして具体的な指標がもらえて良かった」という声が多く、参加者にも上手く利用してもらえている気がします。これをきっかけにデビューする人もいるでしょうし、その段階ではなくとも、プロ編集者の意見は良かれ悪しかれ参考になるものです。「殴り書きのようなものはちょっと困る…」という編集部側の声もありましたが、きちんと描いた作品であれば、勇気を出してチャレンジしてみてください。
なお、サークルアンケートの販売データの集計を見ると、平均値54.76冊、中央値22冊と、最近の流れでは最高値をマークしました。過去2年の比較で近いのは04年2月の67、03年8月の65の回。実はこの2回は原画展などのサブイベントが無い回で、やはり会場内企画があると参加者の意識がそちらに流れ気味であることも見て取れます。こうしたデータも今後の企画スケジュールの参考にしてゆきたいと考えています。サークルアンケートの集計結果はこのように重要な判断材料になりますので、ぜひ提出にご協力ください。
さて、最初に書いたように今回は「普段着のコミティア」でしたが、一日にぎにぎしく過ごすことが出来ました。サークルアンケートで「コミティアで欲しいサービスは?」という質問に「特になし」という回答が多かったのは、今の形で満足してくれている人が多いようです。
それでも便利になるのに越したことは無いし、経費や人手不足がネックで懸案のままの問題もたくさんあります。もしかしたらそれが次回に改善されていたり、3年後にやっと実現する案件だってあるかもしれません。その時に「あ、ちょっと良くなったな」と気がついてもらえたら、裏方でいつも試行錯誤しているスタッフも報われるでしょう。
ボランティア団体という体質上、無理は禁物ですが、年4回のサイクルの中で波はありつつ、1年後にはちょっとだけ進歩している…そんなスタンスで進んでゆけたらと思います。どうぞ長い目でコミティアにお付き合い下さい。
コミティア実行委員会代表 中村公彦
(ティアズマガジンvol.72より)