当日は曇り空ながら、あまり外気温も上がらず、夏のイベントとしては過ごしやすい一日でした。参加サークル数も直接1736/委託110サークルと、5月ほどではありませんが、前年夏よりは100サークル増。順調に伸びつづけています。来年の5月は確実にキャパシティオーバーが見込まれるため、ついにビッグサイトで2ホール開催が決定しました。募集数はなんと3000スペース! ぜひ多くの方のご参加をお待ちしています。
さて嬉しいのはサークルの申込数だけでなく、一般参加者も増え続けていること。今回もまた縁があって毎日新聞東京23区版に全面広告を出しましたが、その効果か、あるいは同日オールジャンルの大規模イベント・グッドコミックシティが開催されたせいか、後述の「水野英子の世界」展のせいか、まあ全てひっくるめての宣伝効果か、一段と来場者も増え、多目に用意したティアズマガジンも1時半には売切れてしまいました。
会場で何より手応えを感じたのは、人気サークルを狙って集中するタイプのお客さんより、会場全体を万遍なく見て回ろうとする一般参加者が増えたこと。サークルアンケートの売上集計でも、平均値こそ5月開催時より下がりましたが、50冊台は悠々キープ。中央値はかわらず20冊を維持しています。こういう参加者がサークルを支えてこそのコミティア。朝イチの混雑が過ぎた後は終日良い感じで賑わっていたのが嬉しいことです。
今回の会場内企画は「水野英子の世界」展。水野先生はなんとデビュー51周年! 60~70年代に活躍された、現代少女漫画の基礎を築いた伝説の作家ですが、ご本人はまだまだ現役で意気盛ん。新作描き下し『月光石』を自主出版され、CGプリントと原画ダッシュ(厳密に再現された複製原画)でこれまでの代表作を網羅して展示されました。
この催しは毎日新聞(全国版)でも紹介されましたが、水野先生のファン層は情報収集にネットを利用されない世代が多いのか、コミティア事務所に直接問合せの電話がたくさん掛かってきて驚きました。電話の内容も「北海道在住なのだが、北海道でやる予定はないか?」とか、「自主出版された本をぜひ手に入れたいのだが、どうすればよいか?」など非常に熱心な物。ファンの方々もおそらく平均年齢は50歳台のはずですが、幼い頃の記憶を忘れず、今も新作を読みたいとビッグサイトまで足を運ばせる、作家としての影響力に深く感服しました。
会場では、年配のファンも多数来場された上(アンケートに拠ると本当にこのために北海道から来られた方も!)、午後から行なわれたサイン会にも思ったより若い読者が並び、水野先生も大いに喜ばれたようです。思わぬ経緯で実現したレジェンド企画でしたが、やれて良かったとしみじみ思う次第です。
定例の「出張マンガ編集部」は15編集部が登場。新創刊誌や初登場の雑誌も多く、出版界でもこの企画のアピール力を認めてもらっているようです。事後のアンケートでも各編集部が「手応えがあった」と回答してくれました。今回は新機軸で「出張ノベルス編集部イラスト持込受付」。どんな反応があるか楽しみなところです。
今回のCOMITIA78からはオンライン申込受付も開始されました。様々な時流の変化に対応しつつ、それでも出発点である漫画への、作品への敬意を忘れずにこれからもコミティアを開催してゆきたいと思います。どうぞよろしくお付き合いください。
コミティア実行委員会代表 中村公彦
(広報ティアズより)