一方、難題は東ホールと構造が違うため、会場設営をまず測量から始めなければならないこと。初めてのことゆえ、余裕を持ってスタートしましたが、事前準備やスタッフの連携が上手くいってスムーズに終らせることができました。ここはホッと一安心。
そしてさらなる難問は8月3日に起こったビッグサイトでのエスカレーター事故。当該機が使えないのは当然としても、他のエスカレーターにも厳しい使用制限が付き、サークル入場の時間帯はかなり渋滞することが予想されました。そこで急遽、開場前は一般参加者にはすべて外階段から会場階に上がってもらうことに。事故では仕方がないとは言え、何とも慌しい直前の計画変更でした。
迎えた当日は折悪しく雨。2~3日前からそれまでの猛暑が嘘のように気温が下がり、むしろ会場内は涼しく感じられたほど。暑さ対策をいろいろ考えていただけに拍子抜けしました。
しかし、やはり天候の影響はあったようで、今回はティアズマガジンも売り切れるには至らず。ただ、前週に夏コミがあったにしては、その疲れなどはほとんど感じられず、サークルアンケートでも「思ったより人が多かった。」「1週間前よりも皆ゆっくり見ていってくれた。」という嬉しい反応が多数。参加者は一日をじっくり楽しんでいってくれたようです。
同様に鍵型のホールの使い辛さも否めませんが、日程やホールの割り振りは会場側が調整しており、なかなかこちらの希望は通りません。これについては粘り強く交渉してゆきたいと思います。
アンケートによる売行データは平均39.48冊、中央値15冊と、5月の拡大開催時が50冊を超えていたのに比べると、見事に元に戻りました。この辺りの数字がいまのコミティアの平均的ラインなのでしょう。
さて、会場内企画はマンガ製作ソフト「コミックスタジオ」(株式会社セルシス)のデモ展示。マンガ家の青木俊直さん(ゆるゆるブックス)のマンガ製作ライブや、10台近いデモ機で自由にそのソフトを試せるなど興味深い企画もあり、黒山の人だかりでした。好評に付きこの企画は今後も継続する予定です。
サークル合同企画では「音楽部」「浴衣部」「絵本・童話部」が登場。音楽部は視聴コーナーやパンフレットなどに工夫を凝らし、絵本・童話部は展示も、そして浴衣部は皆さん当然浴衣姿でずらり。この浴衣部のアピール効果もあったせいか、会場内にも浴衣姿が目立ち、コミティアスタッフも何人か浴衣を着ていました。これも夏の風物詩として良いものですね。
出口で行われた「創作物の規制/単純所持規制に反対する請願署名」で集まった署名はなんと940筆。アンケートでも8割以上がこの問題について「知っている」と答えており、コミティア参加者の意識の高さに驚きました。とはいえ、この問題はまだまだ注視してゆかなければなりません。私たちの表現を不当な規制から守るために。
さて、本当にドタバタ続きだったこの夏も何とか無事終了することができました。むしろトラブルを乗り越えることでタフになったり、結束が強まったりするのかもしれませんね(勿論トラブルは無いに越したことはありませんが!)。皆さんの夏はいかがでしたでしょうか?
コミティア実行委員会代表 中村公彦
(広報ティアズより)