COMITIA88 アフターレポート

盛夏の候、皆さんいかがお過ごしでしょうか。さる5月5日に行なわれたコミティア88拡大Specialのアフターレポートをお送りします。
今回は申込が一気に3千サークルを突破し、過去最大の3177サークル。総数が出た時の事務所内の驚きが忘れられません。おかげ様で一般参加者も激増し、朝の入場待ち行列は、東ホールのガレリアを出て、東3ホールの裏側まで到達したとか。当日はあいにくの雨模様でしたが、悪天候の中を多数の来場をいただき心より感謝します。
会場内企画は、アナログの極地からデジタルの先端まで、幅広い企画が登場しました。『季刊S+SS』のカラスさんと千足さんの公開イラストメイキングは黒山の人だかりでしたし、『青林工藝舎アックス』のしりあがり寿さんと島田寅之介さんのトークショーも盛り上がりました。『まんがタイム』の公開編集会議&マンガ家打合せは、全員の顔が同時に見える特殊カメラ映像で来場者を驚かせ、その横では青木俊直さんが一日缶詰で「コミックスタジオ」でマンガを描いているという具合。全体にライブにこだわった企画が好評だったのが嬉しいところです。おなじみ出張編集部も、年に一度恒例のマンガ&ノベルス2本立てで、23ブース/36編集部と相変わらずの混雑振りでした。
サークル参加の方では、部活動が「同人ゲーム部」「歴史部」「とり部」「平成部」の4つ。それぞれ工夫を凝らした企画が好評でした。これもサークル側の主体的な活動の成果です。そして、年に一度の展示参加もなんと53サークル! 昨年のコミティアチラシを描いてくれたJH科学さんのCGイラスト生成過程映像から、巨大な絵、精密な切絵細工、小物を生かしたディプレイ、はては自転車まで、個性に溢れる展示がずらりと並びました。こちらも年に一度の「コミティアの華」として今後も続けてゆきたいと思います。
サークルアンケートを読んでいると、やはり拡大開催で熱かった!凄かった!という声が多数。同時に若い初参加者が増え、新しい世代の波が来ていることを感じます。いくつか声を拾うと「ネット越しでは味わうことのできない体験が出来ました」「他のイベントでは13時頃にはみな帰ってしまい淋しかった。今日はみな最後まで残っていて最高だ!!」「拍手で始まり、拍手で終わってビックリ」等々。コミティアというイベントの刺激をよく受け止めてくれていて嬉しいです。アンケートによる売行データは平均47.57冊、中央値19冊と、やはり5月は良い数字になりますね。新しい参加者がさらにこの数字を押し上げてくれたらと思います。
一方で、今回から始まったティアズマガジンの諸注意マンガのように、初参加の人達の為に即売会の基礎的な知識やルールをアピールしてゆく必要も感じます。イベントは一日限りの故に「旅の恥は掻き捨て」的な意識が生まれ易いもの。しかし、自分が長くこの場を利用したいと思ったら、それを維持するために、みんなが譲り合い、協力し合うことの意義を感じてもらいたいのです。
今回の前日設営にも80人以上の一般協力者が来てくれました。当日の会場撤収も参加者みんなで協力し、あれだけの規模の机・椅子が1時間強で片付いてしまいます。こうした協力があってこそ、コミティアは25年間も営々と続いてきたのです。
「みんなで作るコミティア」というポリシーをもう一度確認しつつ、これからも着実に歩を進めてゆきたいと思います。

コミティア実行委員会代表 中村公彦
(広報ティアズより)