鶴綿衣テクタイト
- 生年月日…1988年5月3日
- 趣味……FF14
- コミティア歴…コミティア98から
- http://www.anonyma.sakura.ne.jp/
超人類に支配された人類の世界、人外の”天使“と同棲する女子高生、妖精の改造・躾を行う怪しい店…、そんな徹底してマニアックな題材にも関わらず、洗練され整然とした画。一見ミスマッチな2つの要素の融合が鶴さんのマンガの魅力だ。
小学生の頃、藤崎竜さんの「封神演義」が絵の興味を持つきっかけになった。その興味は次第に大きくなり、美大への道も考えたが、両親の反対により断念。理系大学に進学する。大学で漫研に入ったことを契機に、それまで抑圧されてきたマンガ欲が解放されることになった。初めてマンガを描き、友人達と同人誌を作り、その楽しさに夢中になっていった。
「漫研では色々教えこまれました。視線誘導だの消失点だの塾みたいで、さすが理系だなと」教えられた中で最も気をつけていることは読みやすさだ。「最初に居場所が分かるコマを入れる。1コマに吹き出しは3つまでで、出来るだけ長文を入れない。誰が喋ってるか分かりやすく。落ち着きのあるコマを1ページに1つ。印象に残したいコマは左ページの一番上…とか、菅野博之さんの『快描教室』に書いてることばっかりですけど」
コミティアへのサークル初参加は、同人活動を始めてから4年目、2011年秋のコミティア98だ。なんとなく申し込んだとは言うが、漫研を離れ、コミカライズの仕事が多い中で反動もあったのかもしれない。初の創作個人誌『FERNANDES PIXY SHOP』は愛玩用の妖精を取り扱う怪しいショップの話。淫靡な程に描かれた妖精を『加工』する様子は「雰囲気を作るのが得意」という持ち味が遺憾なく発揮され、見本誌読書会投票では見事1位を獲得した。
その雰囲気の土台は、自ら「設定厨」「悪い癖」と称するほどの趣味だ。「設定の辻褄あわせて、その世界観の中で1番面白い関係を考える時が楽しい。後は嫌々描いてますね(笑)。たぶん設定資料集つくったら満足するんですけど、それじゃ誰も読んでくれないんで…」
今、商業誌に挑戦する中で悩んでいるのは自作に求められるものとのギャップだ。「編集さんには一様にインパクトがないって言われます。自分の趣味と、売れるものがマッチしてない」しかし「描きたいもの」と「描く技術」はすでに揃っている。欠けているピースは小さい。「長く連載できるなら『俺の考えた設定を見てくれ!』みたいなファンタジーを描きたい」それらが噛み合い、素晴らしい作品が生まれる日は近いはずだ─。
小学生の頃、藤崎竜さんの「封神演義」が絵の興味を持つきっかけになった。その興味は次第に大きくなり、美大への道も考えたが、両親の反対により断念。理系大学に進学する。大学で漫研に入ったことを契機に、それまで抑圧されてきたマンガ欲が解放されることになった。初めてマンガを描き、友人達と同人誌を作り、その楽しさに夢中になっていった。
「漫研では色々教えこまれました。視線誘導だの消失点だの塾みたいで、さすが理系だなと」教えられた中で最も気をつけていることは読みやすさだ。「最初に居場所が分かるコマを入れる。1コマに吹き出しは3つまでで、出来るだけ長文を入れない。誰が喋ってるか分かりやすく。落ち着きのあるコマを1ページに1つ。印象に残したいコマは左ページの一番上…とか、菅野博之さんの『快描教室』に書いてることばっかりですけど」
コミティアへのサークル初参加は、同人活動を始めてから4年目、2011年秋のコミティア98だ。なんとなく申し込んだとは言うが、漫研を離れ、コミカライズの仕事が多い中で反動もあったのかもしれない。初の創作個人誌『FERNANDES PIXY SHOP』は愛玩用の妖精を取り扱う怪しいショップの話。淫靡な程に描かれた妖精を『加工』する様子は「雰囲気を作るのが得意」という持ち味が遺憾なく発揮され、見本誌読書会投票では見事1位を獲得した。
その雰囲気の土台は、自ら「設定厨」「悪い癖」と称するほどの趣味だ。「設定の辻褄あわせて、その世界観の中で1番面白い関係を考える時が楽しい。後は嫌々描いてますね(笑)。たぶん設定資料集つくったら満足するんですけど、それじゃ誰も読んでくれないんで…」
今、商業誌に挑戦する中で悩んでいるのは自作に求められるものとのギャップだ。「編集さんには一様にインパクトがないって言われます。自分の趣味と、売れるものがマッチしてない」しかし「描きたいもの」と「描く技術」はすでに揃っている。欠けているピースは小さい。「長く連載できるなら『俺の考えた設定を見てくれ!』みたいなファンタジーを描きたい」それらが噛み合い、素晴らしい作品が生まれる日は近いはずだ─。
TEXT / YUHEI YOSHIDA ティアズマガジン107に収録