ミツナナエ群青の街
- 生年月日…3月27日
- 趣味…BONSAI
- コミティア歴…コミティア81から
- http://mitsunanae.tumblr.com/
大学で民俗学を教える准教授・久世七史と、その遠縁にあたる18歳の紅緒は、一回り歳の離れた仲良しご夫婦。しかし、二人が暮らす家には「持ち主に懐く」謎の“祟り”があり、紅緒が家から外へ出ると必ず災難に遭ってしまうのだった。七史は妻を救う手掛かりを求め、遥々、遠野へと赴くが…。
ワケあり夫婦の、多難ながらも幸福な生活を描いた連作『久世さんちのお嫁さん』(以下『久世嫁』)が、コミティア112で完結を迎えた。和服や古民家、民俗学など、和のエッセンスを散りばめつつ、夫婦の愛と絆を丁寧に描いた、読み応えある長編だ。「眼鏡男子と男女のイチャイチャが生きるモチベーションです(笑)」と公言するミツナナエさんが、本編400ページを越える『久世嫁』を世に送り出した動機とは何だったのだろうか?
ミツさんは漫画家を志し、マンガ学部のある京都の大学へ進学。「学校の課題でアシスタント研修があって、プロの現場でキャラクターを描く大切さや、作品を描き上げる根性を学びました」と語る。'07年に、自主的に漫画を描く機会を増やすため、友人らと合同サークル「monoclover」を結成し、同人活動を開始。その直後「コミックZERO-SUM」(一迅社)でプロデビューを果たす。商業で読切やコミカライズ作品などを発表後、一昨年、自分が好きなものを詰め込んだ『久世嫁』を描こうと考えたのだそうだ。「男女がくっついてから関係が成熟していく過程が好きです。主人公たちが夫婦なら、イチャイチャが存分に描けるだろうと思いました」
シリーズ序盤では、先々の展開を殆ど決めていなかった。しかし、コミティア会場でのある一言が、ミツさんの背中を強く押す力になった。「読者さんに『これ、ちゃんと終わりますか?』と言われて、『絶対最後まで描こう!』と決意しました。私はすごい負けず嫌いなので、意地で毎回続きを出そうと。そして、作者として、キャラクターたちに良い形で区切りを付けてあげたい、と感じました」と振り返る。コミティア104で1巻を発行してから最終の9巻まで、コミティアで毎回新刊を出し続けた情熱の裏側には、作品に対する強い責任感と愛着心があった。そして、それらが、人には言えないある秘密を抱える夫婦を描いた、「プリンセスGOLD」(秋田書店)での新連載「日比野夫妻の暦帳」を産み出すきっかけにもなった。
「相手に合わせるのが苦じゃない、と思える夫婦関係って良いな、と思います」とミツさん。ワケありだった久世夫妻が“普通”の夫婦になるまでの愛の物語、ぜひご一読あれ。
ワケあり夫婦の、多難ながらも幸福な生活を描いた連作『久世さんちのお嫁さん』(以下『久世嫁』)が、コミティア112で完結を迎えた。和服や古民家、民俗学など、和のエッセンスを散りばめつつ、夫婦の愛と絆を丁寧に描いた、読み応えある長編だ。「眼鏡男子と男女のイチャイチャが生きるモチベーションです(笑)」と公言するミツナナエさんが、本編400ページを越える『久世嫁』を世に送り出した動機とは何だったのだろうか?
ミツさんは漫画家を志し、マンガ学部のある京都の大学へ進学。「学校の課題でアシスタント研修があって、プロの現場でキャラクターを描く大切さや、作品を描き上げる根性を学びました」と語る。'07年に、自主的に漫画を描く機会を増やすため、友人らと合同サークル「monoclover」を結成し、同人活動を開始。その直後「コミックZERO-SUM」(一迅社)でプロデビューを果たす。商業で読切やコミカライズ作品などを発表後、一昨年、自分が好きなものを詰め込んだ『久世嫁』を描こうと考えたのだそうだ。「男女がくっついてから関係が成熟していく過程が好きです。主人公たちが夫婦なら、イチャイチャが存分に描けるだろうと思いました」
シリーズ序盤では、先々の展開を殆ど決めていなかった。しかし、コミティア会場でのある一言が、ミツさんの背中を強く押す力になった。「読者さんに『これ、ちゃんと終わりますか?』と言われて、『絶対最後まで描こう!』と決意しました。私はすごい負けず嫌いなので、意地で毎回続きを出そうと。そして、作者として、キャラクターたちに良い形で区切りを付けてあげたい、と感じました」と振り返る。コミティア104で1巻を発行してから最終の9巻まで、コミティアで毎回新刊を出し続けた情熱の裏側には、作品に対する強い責任感と愛着心があった。そして、それらが、人には言えないある秘密を抱える夫婦を描いた、「プリンセスGOLD」(秋田書店)での新連載「日比野夫妻の暦帳」を産み出すきっかけにもなった。
「相手に合わせるのが苦じゃない、と思える夫婦関係って良いな、と思います」とミツさん。ワケありだった久世夫妻が“普通”の夫婦になるまでの愛の物語、ぜひご一読あれ。
TEXT / KENJI NAKAYAMA ティアズマガジン113に収録