大塚志郎うみはん
- 生年月日…1982年11月10日
- 職業…漫画家
- 趣味…弓道・自転車旅行・同人誌制作
- コミティア歴…コミティア105から
- http://ameblo.jp/otsukashiro/
漫画制作の舞台裏にスポットを当てた「漫画アシスタントの日常」。フリーの漫画アシスタントの主人公を通して漫画に懸ける熱い思いと現場の過酷さが伝わってくる。アシスタント経験が豊富な大塚さんだからこそ描ける作品だ。
大塚さんは高校卒業後、プロを目指して投稿を重ね、賞への入選を期に、東京に上京。最初に行った週刊連載のアシスタント現場でプロの仕事を目の当たりにし、現在の漫画作りの基礎を学んだという。その後ヘルプで色々な現場を経験したが、雇い主によって仕事の進め方や賃金は様々。そうした現場により「常識」が異なることの苦労や葛藤を反映させながら、作中で主人公が「原稿を落とさせない」という信念を貫き、突き進んでいく姿は実にカッコいい。
コミティアに参加するようになったのは3年ほど前。それまで意識して同人とは距離を置いていた。先輩作家からのアドバイスもあったが、プロとしての漫画の作り方が身に付かない内に、同人誌で描くとその自由さに流されてしまう怖さがある。自分なりに自信が付き、さらに活動の幅を広げたいと考えるようになって、初めて同人活動を始めた。
同人誌で描く時に重視するのは「実体験」。自転車旅行や弓道といった自身の経験をベースに作品を作る。商業誌に「エンターテイメントの方程式」のようなものがあるとしたら、同人誌で出せるのは「実体験のリアリティ」だと言う。「びわっこ自転車旅行記」で描かれる満身創痍の体で峠を登る辛さや、坂を下る時の爽快感はまさに実感がこもる。このリアリティが武器であり、魅力だろう。
そのスタンスから自身の経験を元に「漫画制作のディープな現場を描いたら面白いのでは?」というアイデアが生まれ、「漫画アシスタントの日常」を描き出したのも自然な流れ。狙いは見事に当たり、同人誌版の人気から、そのまま商業連載となった。読者のニーズを的確に分析できるのも、プロのキャリアのなせる技だろう。
「ネットで漫画を読む人は無料なら読むという層が多い。コミティアには漫画にお金を出してもいいという層が来てくれる。そういう人を大事にしたい」と大塚さんは語る。商業誌と同人誌、ネットと紙の本。様々な現場を見てきた人の言葉だけに説得力がある。
「今度は同人誌で『売れない漫画家の日常』を描こうかな」と笑う。実体験?のリアリティと、それでも夢を追う主人公に、大塚さん自身が重なって見えそうだ。
大塚さんは高校卒業後、プロを目指して投稿を重ね、賞への入選を期に、東京に上京。最初に行った週刊連載のアシスタント現場でプロの仕事を目の当たりにし、現在の漫画作りの基礎を学んだという。その後ヘルプで色々な現場を経験したが、雇い主によって仕事の進め方や賃金は様々。そうした現場により「常識」が異なることの苦労や葛藤を反映させながら、作中で主人公が「原稿を落とさせない」という信念を貫き、突き進んでいく姿は実にカッコいい。
コミティアに参加するようになったのは3年ほど前。それまで意識して同人とは距離を置いていた。先輩作家からのアドバイスもあったが、プロとしての漫画の作り方が身に付かない内に、同人誌で描くとその自由さに流されてしまう怖さがある。自分なりに自信が付き、さらに活動の幅を広げたいと考えるようになって、初めて同人活動を始めた。
同人誌で描く時に重視するのは「実体験」。自転車旅行や弓道といった自身の経験をベースに作品を作る。商業誌に「エンターテイメントの方程式」のようなものがあるとしたら、同人誌で出せるのは「実体験のリアリティ」だと言う。「びわっこ自転車旅行記」で描かれる満身創痍の体で峠を登る辛さや、坂を下る時の爽快感はまさに実感がこもる。このリアリティが武器であり、魅力だろう。
そのスタンスから自身の経験を元に「漫画制作のディープな現場を描いたら面白いのでは?」というアイデアが生まれ、「漫画アシスタントの日常」を描き出したのも自然な流れ。狙いは見事に当たり、同人誌版の人気から、そのまま商業連載となった。読者のニーズを的確に分析できるのも、プロのキャリアのなせる技だろう。
「ネットで漫画を読む人は無料なら読むという層が多い。コミティアには漫画にお金を出してもいいという層が来てくれる。そういう人を大事にしたい」と大塚さんは語る。商業誌と同人誌、ネットと紙の本。様々な現場を見てきた人の言葉だけに説得力がある。
「今度は同人誌で『売れない漫画家の日常』を描こうかな」と笑う。実体験?のリアリティと、それでも夢を追う主人公に、大塚さん自身が重なって見えそうだ。
TEXT / KOUTA NAKAI ティアズマガジン116に収録