とよ田みのるFUNUKE LABEL
- 職業…漫画家
- 趣味…映画鑑賞
- コミティア歴…2011から
- http://poo1007.blog.fc2.com/
仕事場の本棚にはマンガがぎっしり。インタビュー中もありとあらゆるマンガの話を楽しそうに語る漫画家・とよ田みのるさん。17年より『ゲッサン』で連載中の「金剛寺さんは面倒臭い」は単行本第1集の発売後、大きな話題となり一週間で重版が決定。これまでのキャリアの中でも会心のヒット作になる予感がある。現在15年目のプロ生活で見えてきた境地とは。
出身は伊豆大島。変わり者のご両親の元、4人姉弟の末っ子として育った。絵を意識的に描き始めたのは中学生の頃。「マンガを描こうしたら絵が下手すぎて、まずは絵の練習をしよう」と美術部に入る。その後美大に進学し在学中に『週刊少年サンデー』に投稿するものの箸にも棒にもかからなかった。卒業後も芽が出ず、何年もフリーター状態が続く中、友人が『アフタヌーン』のマンガ賞を取ったことに触発されて、投稿先を同誌に変更。それまでの少年マンガから一転、自分に向いている作風を探るため、様々なジャンルに挑戦していく。突破口となったのは友人とのネームを交換して描く遊びからだった。「苦手なラブコメものを渡されて。でも友達に笑って貰おうって気楽にやってみたら楽しく描けたんです」 それが02年に『アフタヌーン』四季大賞を取るデビュー作『ラブロマ』に繋がった。
「FUNUKE LABEL」としてコミティアに初参加したのは11年5月。「デジタルの練習で同人誌を出したんです。震災の直後だったので、売上は全部義援金にしました。続けるとかは考えてなかったんですけど、参加してみたら読者さんと直接お話できて凄い楽しかったんですよね」
「ウエルメイドな王道を目指した」という連載作『友達100人できるかな』、『タケヲちゃん物怪録』が商業的にあまり成功せず、方向性に悩む中で光明になったのが、14年からTwitterで発表している子育てエッセイマンガ「最近の赤さん」だ。自分の娘があまりにも可愛すぎて「娘へのラブレターのつもりで」描いたという同作は大きな共感を呼び、新たなファンを獲得した。その経験により「もっと自分の感情をダダもれにしても良いんじゃないか」と思えたことが『金剛寺さんは面倒臭い』に至るきっかけになった。
「『金剛寺さん』はバトル物の方法論で恋愛を描いたら面白いんじゃないかって着想で、ものすごい変なマンガを描いたつもりなんです(笑)。本筋はストレートですけど、普通の起承転結じゃなかったり、マンガを沢山読んでないと分からない表現を多用していて、わざとカオスにしてます」という言葉の通り、島本和彦、石川賢、永井豪、板垣恵介、山口貴由…と大好きなマンガから受け継いだパッションをムチャクチャに詰め込み、怒涛のように展開していく様は、マンガ表現の新たな可能性すら感じさせる。「正直、分かってもらえるか不安だったんですけど普通に読まれていて。マンガってもっと自由で良かったんだなって思いました。じゃあもっと暴れますよって気持ちです(笑)」
出身は伊豆大島。変わり者のご両親の元、4人姉弟の末っ子として育った。絵を意識的に描き始めたのは中学生の頃。「マンガを描こうしたら絵が下手すぎて、まずは絵の練習をしよう」と美術部に入る。その後美大に進学し在学中に『週刊少年サンデー』に投稿するものの箸にも棒にもかからなかった。卒業後も芽が出ず、何年もフリーター状態が続く中、友人が『アフタヌーン』のマンガ賞を取ったことに触発されて、投稿先を同誌に変更。それまでの少年マンガから一転、自分に向いている作風を探るため、様々なジャンルに挑戦していく。突破口となったのは友人とのネームを交換して描く遊びからだった。「苦手なラブコメものを渡されて。でも友達に笑って貰おうって気楽にやってみたら楽しく描けたんです」 それが02年に『アフタヌーン』四季大賞を取るデビュー作『ラブロマ』に繋がった。
「FUNUKE LABEL」としてコミティアに初参加したのは11年5月。「デジタルの練習で同人誌を出したんです。震災の直後だったので、売上は全部義援金にしました。続けるとかは考えてなかったんですけど、参加してみたら読者さんと直接お話できて凄い楽しかったんですよね」
「ウエルメイドな王道を目指した」という連載作『友達100人できるかな』、『タケヲちゃん物怪録』が商業的にあまり成功せず、方向性に悩む中で光明になったのが、14年からTwitterで発表している子育てエッセイマンガ「最近の赤さん」だ。自分の娘があまりにも可愛すぎて「娘へのラブレターのつもりで」描いたという同作は大きな共感を呼び、新たなファンを獲得した。その経験により「もっと自分の感情をダダもれにしても良いんじゃないか」と思えたことが『金剛寺さんは面倒臭い』に至るきっかけになった。
「『金剛寺さん』はバトル物の方法論で恋愛を描いたら面白いんじゃないかって着想で、ものすごい変なマンガを描いたつもりなんです(笑)。本筋はストレートですけど、普通の起承転結じゃなかったり、マンガを沢山読んでないと分からない表現を多用していて、わざとカオスにしてます」という言葉の通り、島本和彦、石川賢、永井豪、板垣恵介、山口貴由…と大好きなマンガから受け継いだパッションをムチャクチャに詰め込み、怒涛のように展開していく様は、マンガ表現の新たな可能性すら感じさせる。「正直、分かってもらえるか不安だったんですけど普通に読まれていて。マンガってもっと自由で良かったんだなって思いました。じゃあもっと暴れますよって気持ちです(笑)」
TEXT /YUHEI YOSHIDA ティアズマガジン124に収録