9℃low*temp
- 職業…漫画家
- 趣味…漫画を買う、読む、描く
- コミティア歴…コミティア111から
- https://twitter.com/kudo_9c
群像劇のようなキャラ同士の掛け合いと関係性を描く9℃(くど)さんにとって、キャラとは「単なる役者さんじゃなくて、そのままキャラでいる」存在だ。キャラに演技をさせるのではなく、作品世界の中で生きる人間としての人生を切り取って描く。そのスタンスには、マンガの手段を超えた、キャラにかけるまっすぐな信念と情熱がある。
幼い頃からお話を考えることが好きだった9℃さん。「人形を両手に持ちながらじっと黙って、頭の中で二人のお話を作って遊んでいました」。小学校では作文力を鍛えられ、読書感想文で表彰されたり、児童会長としてスピーチをしたりと優等生だった。中学校では友達同士で流行ったリレー小説にも熱中し、文章力と創作力をさらに磨く。絵を描くことも好きだったが「その頃はまだマンガを描くガッツはなかったので、好きだったマンガを真似して描いたキャラの隣に設定とあらすじを書いて、それで満足していました」
マンガを描き始めたのは高校生の頃。漫研に入り、積極的に創作活動する周囲に刺激を受けた。初めての同人活動は大学時代の14年。読者の反応が目の前で見られる即売会の楽しさに目覚め、15年にはコミティアに初参加。さらに同人活動がきっかけで在学中に商業デビューも果たす。しかし、マンガはあくまで趣味や副業、本業にしようとは夢にも思わなかった。その考えが変わった作品が、16年の社会人一年目にコミティアで発表した『目黒さんは初めてじゃない』だ。ティアズマガジンで紹介され、出版社10社ほどからオファーが。その手応えで「これなら専業としてチャレンジできると思って退職したんです」。挑戦は成功し、現在では3本の商業連載を持ち、多忙なプロ生活を送っている。
会話劇の中で「自分の人生や相手との関係が少しずつ変わっていく過程を描く」ラブコメが9℃さんのスタンダードだ。「良い違和感」と表現するその変化の始まりは「ピュアで何気ない、だからこそ心に響く言葉」によって生み出される。例えば『目黒さんは初めてじゃない』では、クールな目黒さんがウブだけど情熱的な古賀くんの言葉に心ゆるみ、次第に笑顔を見せていく。「私のキャラはこれまでにリアルで出会ってきた全ての人がごちゃまぜになって生まれています。人と会って自分が変わる経験をしてきたから、私だからこそ描ける出会いと変化のお話を描きたい」
「思いついたお話は他の人と一緒に楽しみたい」と、商業連載のかたわらで同人活動も続け、即売会参加のたびに新作を発表。この2年間に出した本は16冊におよぶ。BLやパロディまで幅広いジャンルで活動するが、どの作品にも共通するのは、キャラの人格をありのままに受け止めて肯定する存在を描く人間愛だ。目指すのはキャラ全員が最後には幸せになれる世界。「どんなキャラも自身の人生の主役。悪い人や負けた人は作りたくない。辛い出来事も、生きていく上で意味のあることなんだ、とポジティブに思える描き方をしたいです」
幼い頃からお話を考えることが好きだった9℃さん。「人形を両手に持ちながらじっと黙って、頭の中で二人のお話を作って遊んでいました」。小学校では作文力を鍛えられ、読書感想文で表彰されたり、児童会長としてスピーチをしたりと優等生だった。中学校では友達同士で流行ったリレー小説にも熱中し、文章力と創作力をさらに磨く。絵を描くことも好きだったが「その頃はまだマンガを描くガッツはなかったので、好きだったマンガを真似して描いたキャラの隣に設定とあらすじを書いて、それで満足していました」
マンガを描き始めたのは高校生の頃。漫研に入り、積極的に創作活動する周囲に刺激を受けた。初めての同人活動は大学時代の14年。読者の反応が目の前で見られる即売会の楽しさに目覚め、15年にはコミティアに初参加。さらに同人活動がきっかけで在学中に商業デビューも果たす。しかし、マンガはあくまで趣味や副業、本業にしようとは夢にも思わなかった。その考えが変わった作品が、16年の社会人一年目にコミティアで発表した『目黒さんは初めてじゃない』だ。ティアズマガジンで紹介され、出版社10社ほどからオファーが。その手応えで「これなら専業としてチャレンジできると思って退職したんです」。挑戦は成功し、現在では3本の商業連載を持ち、多忙なプロ生活を送っている。
会話劇の中で「自分の人生や相手との関係が少しずつ変わっていく過程を描く」ラブコメが9℃さんのスタンダードだ。「良い違和感」と表現するその変化の始まりは「ピュアで何気ない、だからこそ心に響く言葉」によって生み出される。例えば『目黒さんは初めてじゃない』では、クールな目黒さんがウブだけど情熱的な古賀くんの言葉に心ゆるみ、次第に笑顔を見せていく。「私のキャラはこれまでにリアルで出会ってきた全ての人がごちゃまぜになって生まれています。人と会って自分が変わる経験をしてきたから、私だからこそ描ける出会いと変化のお話を描きたい」
「思いついたお話は他の人と一緒に楽しみたい」と、商業連載のかたわらで同人活動も続け、即売会参加のたびに新作を発表。この2年間に出した本は16冊におよぶ。BLやパロディまで幅広いジャンルで活動するが、どの作品にも共通するのは、キャラの人格をありのままに受け止めて肯定する存在を描く人間愛だ。目指すのはキャラ全員が最後には幸せになれる世界。「どんなキャラも自身の人生の主役。悪い人や負けた人は作りたくない。辛い出来事も、生きていく上で意味のあることなんだ、とポジティブに思える描き方をしたいです」
TEXT /TAKASHI MENJO ティアズマガジン125に収録