COMITIA125 ごあいさつ

コミティア実行委員会はいま切実にスタッフ募集中です。

本日来場された方は、会場のそこかしこで「スタッフ大募集」というポスターを目にすることと思います。

コミティアがボランティアのスタッフによって開催・運営されていることは、参加者の皆さんの多くがご存知と思いますが、私たちコミティア実行委員会はいま切実にスタッフになってくれる人を求めています。

直接の理由は、今年の5月に過去最大の3万5千人に及ぶ来場者を迎え、当日はなんとか大きなトラブルもなく乗り切れましたが、現場でのスタッフの人数不足を痛感したことにあります。

もう一つはここ何年もスタッフの総数が100人と少しの人数から増えないこと。毎回のように新しいスタッフ希望者が入ってきてくれますが、一方でそれぞれの事情もあり、続ける内に少しづつ抜けていく人もいます。その+と-が相殺されて、全体の人数がほぼ変わらないのです。

そうしたメンバーの流動性は無給のボランティア組織の宿命のようなもの。まず気軽に仲間に入ってもらいたいし、活動が仕事や生活の負担になったら、無理せず休んで、余裕ができたらまた戻ってもらいたいとも思っています。

とは言え、年々増えてゆく来場者に対し、このままスタッフの人数が増えなければ、安全で安定した運営もおぼつきません。そのための「スタッフ大募集」です。

もう一つ、別の問題があります。これもご存知のように2019年~2020年は、オリンピック・パラリンピックの関係で、東京ビッグサイトの東展示棟が使用できなくなり、替わりに新設される青海展示場、南展示場をメインに利用する予定です。これらはまだ建設中でどのような使い勝手なのかも判りません。長年使い慣れた東ホールと違い、会場レイアウトや入場導線など運用面でも多くの練り直しが必要になります。これまでの経験が通じないのは、スタッフにとってとても負担が大きいことです。

こうしたハードルも含めて、これから否応なしにコミティアは試練の2年間を迎えます。この時期を一緒に乗り越えてくれる仲間を求めたいのです。

社会学の中には、自分の家庭や職場とは別に、もう一つのコミュニティ=「サード・プレイス」を持つことで、創造的な交流が生まれるという考え方があります。コミティアのようなボランティア団体はまさにその代表例でしょう。

今のスタッフのメンバーは、最年長の私・中村の50代後半から20歳前後の大学生まで、男女を問わず幅広い年齢層の人たちがいます。皆が仕事や学業の間の時間をやりくりしてボランティアの作業に参加しています。そうした様々な経験を持つ仲間たちが力を合わせて、一つのイベントを準備段階から当日の一部始終まで遂行する。だからこそイベントが終わった後の充実感はまさに格別です。

募集は描く人(サークル参加)・読む人(一般参加)は問いません。「出来る人が出来ることをやる」のがボランティアの基本です。本日は13時より本部横でスタッフ希望者の受付&相談窓口を作ります。気になることは何なりと聞いてみてください(時間交代制で私・中村も座っております)。

あらためて確認します。コミティアの主役は各スペースの机の上にある、作家の創作活動の結晶である「作品」です。それを生み出す作家がいて、それを求める読者がいる。その二者が出会うための舞台を準備するのが、私たちスタッフの役割です。裏方は普段はなるべく目立たないように行動するもの。けれど今日は少しだけ、その存在に注目して欲しいのです。
 

もう一つ報告があります。来年2019年より、コミティアのサークル参加費を改定することになりました。

ここ数年のイベント規模拡大に伴い、来場者の待機列の会場費や備品代、警備費用など、いろいろな部分にかかる費用が増えてきました。今後はさらに安全対策のための費用も増える見込です。また、前述した新設会場の利用に伴い、2ホール/3ホールという面積の区分けも取りづらくなりました。そこで来年よりは会場・規模にかかわらず同一の金額とします。また、サークルの参加申込も9割近くがオンライン利用になったため、オンライン申込(システム利用料含む)と郵送申込の金額を同額に統一します。

新しい参加費は1スペース6400円となります。ベースとなる参加費を改定するのは9年ぶりですが、どうかご理解をお願いします。
 

最後になりましたが本日は3700のサークル・個人の方が参加しています。どうぞゆっくりじっくりご覧ください。

今回の「ごあいさつ」はスタッフサイドからのアピールばかりで申し訳ありません。けれど、このたくさんの創り手とたくさんの読み手が出会える大切な舞台を、今後も維持してゆくためのお願いとしてご寛容いただければと思います。合言葉は「みんなで作るコミティア」です。

2018年8月19日 コミティア実行委員会代表 中村公彦