COMITIA126 ごあいさつ

作者に/読者に会いに行く、地方コミティアの旅はいかがでしょう?

この秋は地方コミティアがほぼ毎週のように開催される過密スケジュール。代表の私もそれに合わせて各地に出張しています。今回はそのレポートを旅日記の形で書いてみました。

9月30日(日)関西コミティア53(中止)

台風24号の影響により開催延期が決定。私がその連絡を受けたのは、前日の東京駅に向かう山手線の中でした。「このまま大阪に行っても無駄足」とも考えましたが、翌週の延期開催で大わらわの関西コミティアスタッフの応援に行こうと思い直し、そのまま大阪行きの新幹線に乗って、当日朝は会場のOMMのホール前で地元スタッフと一緒に説明とお詫びに立ちました。情報が届かず、その日に会場まで来られた方は数名だったけれど、それでも行ってよかったと思います。自然災害が理由であっても、イベントの中止は大きな決断です。その責任の重さを痛感する一日となりました。

10月8日(祝/月)関西コミティア53(延期開催)

仕切り直しとなったこの日。正直一週間後の祝日に会場が全館空いていたのは奇跡でした。朝からたくさんの設営協力者が集まってくれて、ほっと胸を撫でおろしました。さすがに欠席は目立ちましたが、来られた方はみな開催を喜んでくれていたと思います。

10月14日(日)名古屋コミティア53

朝は定番の名古屋駅新幹線ホームのきしめんを食べ、会場の名古屋国際会議場へ。名古屋コミティアも最近は申込がオーバーして、落選が出ることが続いています。この日は名古屋25周年記念企画でサークルのスタンプラリーも開催。記念の寄せ書きコーナーもあり、良い感じで盛り上がりました。

10月21日(日)新潟コミティア50

会場は初めての万代多目的広場「大かま」。文字通りかまぼこ型の建物で、古い倉庫を改装したそうですが、天井の錆びた鉄骨や、ボコボコのコンクリートの床など、程よい廃墟味がよかったです。ベテラン組からは「昔の晴海のコミケ会場を思い出す」という声も(笑)。今回は50回記念でサークル有志企画によるアンソロジーの刊行やペーパーラリーもあり、たいへん賑やかでした。28人が参加したアンソロジー『米百俵』は、思わず目頭が熱くなる「新潟コミティア愛」に溢れた傑作ぞろい。つくづく新潟コミティアは愛されているなあ、と感じました。本日は展06「3都市コミティア25周年記念企画」で委託しているので、ぜひご覧ください。

そしてこのティアズマガジン126の発売以降は、11月4日の九州コミティア2、11月25日の東京126を挟み、12月2日の北海道コミティア9と続きます。

地方コミティア巡りは慌ただしい旅ではありますが、時間を見つけて街を歩いたり、名物を食べたりするのも楽しみの一つ。これを読まれている方も旅行がてらのつもりで地方コミティアに参加してみませんか? 各地方はそれぞれ参加サークルも一般参加者も違い、独自の色があります。きっと新鮮な反応や新しい発見と出会えるはず。作者に/読者に自分から会いに行くのも、同人イベントの面白さ、楽しさだと思うのです(開催日程はそれぞれの公式サイトへ)。

新潟コミティア50のティアズマガジンの巻頭あいさつで、代表の坂田氏が書いていますが、27年前の彼との出会いから地方コミティア構想は生まれ、長い時間をかけて全国6地域に広がりました。一つも途切れずに続いているのは、それぞれの創作にかける情熱が共有されていることと、いざとなると応援に駆けつける仲間意識があるからでしょう。あらためて長年続けてきた歴史を実感した秋でした。

なお、新潟、名古屋、関西の先行3団体が25周年を超えたお祝いに、この秋は「3都市コミティア漫遊スタンプラリー」も行われました。前述の展06のスペースでは記念展示もあり、懐かしい発足当時のティアズマガジンなども見れるはずです。どうぞお楽しみに。

振り返ると、今年は自然災害が多い一年でした。大阪北部地震、西日本豪雨、台風21号被害、北海道胆振東部地震、と大きな災害が続き、コミティアでも緊急キャンセルを受付けたケースがいくつかありました。連日35℃を越えた猛暑も自然災害の一つでしょう。とくに気象の問題はイベント運営にも影響が大きく、今後さらに注意が必要です。もしもの場合にどうするか、私たちもしっかり考えておかねばなりません。皆さんもどうぞ日頃の備えをお忘れなきように。

最後になりましたが本日は5266のサークル・個人の方が参加しています。「海外マンガフェスタ2018」「ゲンロン ひらめき☆マンガ教室」などの会場内企画もあり、いつもと違う顔触れも来ています。それでも此処には、あなたが会いに来た人も、あなたに会いに来た人も、きっと待っていることでしょう。今日という日にまた嬉しい出会いが生まれることを心から願っています。

2018年11月25日 コミティア実行委員会代表 中村公彦