さと原住民族
- 職業…マンガ家
- 趣味…マンガ
- コミティア歴…コミティア120から
- https://www.pixiv.net/member.php?id=6610146
二次創作BLの人気絵師としてネットで活躍する地方住み女子高生・ミスミ、彼女を神と崇める大ファンで東京在住のアラサーOL・アイ。そんな2人のピュアで不器用、遠距離で年の差な恋愛模様を描く『腐女子百合』は「オタクあるある」に笑いつつ、互いを思う描写に愛しさが溢れている。WEBとコミティアで発表された同作はSNSで話題を呼び、「神絵師JKとOL腐女子」と改題し、18年末より『ふらっとヒーローズ』で連載も始まった。
作者・さとさんがマンガを描き始めたのは5、6歳の頃。「コミュニケーションが不得意な自分にとって、マンガを見せて喜ばれることが人と繋がる手段だったんです。その頃からマンガ家になることが夢でした」 その夢は思いのほか早く叶うことになる。WEBで発表したマンガ『いわせてみてえもんだ』が編集者の目に留まり、大学在学中の06年に連載デビューを果たしたのだ。
デビュー後は若さゆえの経験値の低さにも苦しみながら、無我夢中で仕事をしていった。「描き方は我流のまま。実力も分からず、自分を世に知らしめたい気持ちが先走っていました」 特に10年から『週刊少年チャンピオン』で連載した「りびんぐでっど!」では、週刊ペースでマンガを描き続けるハードルの高さを痛感。様々な作品を生み出していく中、16年頃に商業連載が途切れたことがコミティアに参加するきっかけになった。
初参加のコミティア120で発表した『天使とストーカー』は、天使のような外見と性格の直子と、常軌を逸した行動に走る彼女のストーカー・桃子の奇妙な愛を描く百合マンガだ。同作にも顕著だが、創作する上で「人とは違う新しいネタやアイデア、奇抜な設定や物語で勝負したい」気持ちが強かったそうだ。しかし「単純に魅力的な人々を見たい読者も多いのでは」という気付きから、キャラクターを大切にすることをコンセプトにした『腐女子百合』が生まれた。
「読んでいて気持ち良いように人が嫌がることは描かないよう心がけています」という言葉の通り、ミスミとアイの友人たちは2人のオープンなオタクっぷりや、障壁の多い2人の想いを否定しない。そんな優しい世界を描いたからこそ、大きな共感を呼んだのだろう。その反応から、これまでにない手応えを感じている。「デビューして10数年経ちますが、ようやくマンガの描き方が分かった気がします」
今後の目標を伺うと「マンガで世界を変えたい」と大きな答えが返ってきた。その言葉の意味を、はにかみながらも静かな口調で「自分のマンガは、周囲とのギャップで生き辛さを抱えていた昔の自分や、今おなじ気持ちで生きている人に向けて描いています。そんな生き辛さを感じている人を、マンガで肯定したいんです。自分の性格や性分を否定せずにいられる人たちを増やせれば、生きやすい世界になっていくと思っています」と語ってくれた。ミスミとアイの今後はもちろん、さとさんが生み出す暖かな物語が広く手に取られる未来を楽しみに待ちたい。
作者・さとさんがマンガを描き始めたのは5、6歳の頃。「コミュニケーションが不得意な自分にとって、マンガを見せて喜ばれることが人と繋がる手段だったんです。その頃からマンガ家になることが夢でした」 その夢は思いのほか早く叶うことになる。WEBで発表したマンガ『いわせてみてえもんだ』が編集者の目に留まり、大学在学中の06年に連載デビューを果たしたのだ。
デビュー後は若さゆえの経験値の低さにも苦しみながら、無我夢中で仕事をしていった。「描き方は我流のまま。実力も分からず、自分を世に知らしめたい気持ちが先走っていました」 特に10年から『週刊少年チャンピオン』で連載した「りびんぐでっど!」では、週刊ペースでマンガを描き続けるハードルの高さを痛感。様々な作品を生み出していく中、16年頃に商業連載が途切れたことがコミティアに参加するきっかけになった。
初参加のコミティア120で発表した『天使とストーカー』は、天使のような外見と性格の直子と、常軌を逸した行動に走る彼女のストーカー・桃子の奇妙な愛を描く百合マンガだ。同作にも顕著だが、創作する上で「人とは違う新しいネタやアイデア、奇抜な設定や物語で勝負したい」気持ちが強かったそうだ。しかし「単純に魅力的な人々を見たい読者も多いのでは」という気付きから、キャラクターを大切にすることをコンセプトにした『腐女子百合』が生まれた。
「読んでいて気持ち良いように人が嫌がることは描かないよう心がけています」という言葉の通り、ミスミとアイの友人たちは2人のオープンなオタクっぷりや、障壁の多い2人の想いを否定しない。そんな優しい世界を描いたからこそ、大きな共感を呼んだのだろう。その反応から、これまでにない手応えを感じている。「デビューして10数年経ちますが、ようやくマンガの描き方が分かった気がします」
今後の目標を伺うと「マンガで世界を変えたい」と大きな答えが返ってきた。その言葉の意味を、はにかみながらも静かな口調で「自分のマンガは、周囲とのギャップで生き辛さを抱えていた昔の自分や、今おなじ気持ちで生きている人に向けて描いています。そんな生き辛さを感じている人を、マンガで肯定したいんです。自分の性格や性分を否定せずにいられる人たちを増やせれば、生きやすい世界になっていくと思っています」と語ってくれた。ミスミとアイの今後はもちろん、さとさんが生み出す暖かな物語が広く手に取られる未来を楽しみに待ちたい。
TEXT /KOSUKE YAMASHITA ティアズマガジン127に収録