COMITIA139 ごあいさつ

「それを作れば、彼等はきっと帰ってくる」(映画「フィールド・オブ・ドリームス」より)

2022年最初のコミティアにようこそ。

コロナ禍のさ中ではありますが、本年も感染症予防対策を取りながら、一回一回のコミティアを大切に開催してゆきたいと思います。
今回の会場はなんと3年3ヵ月ぶりという東京ビッグサイト東3ホール。昨年行われた東京オリンピック・パラリンピックのメディアセンターとして利用された為に長期間貸出が停止されていましたが、やっと戻ってきました。
おかげ様で昨年11月の前回138からは900サークル近く参加申込が増えたのは明るい兆しです。多くの作家が、リアルな会場で新しい作品を読者に手渡したくてウズウズしている筈。その創作エネルギーの爆発が楽しみでなりません。一方でまだリアルなイベントへの参加が難しい人も多いと思いますが、少しづつでも以前の賑わいを取り戻していけたらと考えています。

今回の話題はイラストコミュニケーションサービス「ピクシブ」主催のオンライン即売会NEOKET2との同日開催。思えばピクシブ主催のリアル即売会pixivマーケットとコミティア90の東京ビッグサイトでの同日開催が2009年なので、ご一緒するのは13年ぶりとなりますね。今回はリアルイベントとオンラインイベントとのコラボレーションなので、時代の変化をより強く感じます。
この同日開催を記念して、NEOKET2内にはコミティア島が出現し、コミティア139内には出張NEOKETブースが出展します。
コミティア会場の出張NEOKETブースでは、オンラインのNEOKET2の様子をリアルタイムで体験できます。NEOKET2のコミティア島では、3Dアバターでのコミティア会場VRフォトスポットなど、オンライン上でイベントを楽しめる企画を準備中です。
なおNEOKET2のコアタイムは2月20日当日の夜(19:00~21:00)に設定されているので、昼はコミティア139、夜はNEOKET2に参加して、ぜひ即売会だらけの1日をお楽しみください。またNEOKET2の開催期間は2月20~23日の3日間。コミティア139の見本誌読書会当日まで継続されます。読んだ本の感想をやり取りしたり、ネット通販したりすることも可能です。こうした利点も同日開催ならではのメリットですね。
コロナ禍をきっかけに、オンライン即売会は様々なスタイルが登場し、拡大しています。大きな潮流になりつつあると言えるでしょう。ただ、こうしたリアルイベントとオンラインイベントがコラボする形は初めてのことかと思います。この新たな出会いからどんな化学変化が生まれるか、今から期待しています。

そして、もう一つの会場内企画は、文星芸術大学マンガ専攻卒業制作展「ちばてつや教授の授業」展。例年2月回の恒例行事でしたが、昨年はコロナによる開催中止となり、2年ぶりの復活です。残念ながらちばてつや先生は病気療養中でご来場は叶いませんが(くれぐれもお大事に!)、これまでのちば先生の講義の記録を展示と映像で観れるように、学生の皆さんが準備しています。こちらもご期待ください。

このように今年からは会場内企画を強化し、イベントをより盛り上げてゆこうと考えています(COMITIA140の企画はこちら)。とくに意識するのは、まだ同人誌即売会に参加したことのない人たちにも会場に足を運んでもらうこと。この2年以上イベントの規模が縮小し、新しい層がコミティアに触れるきっかけが大きく損なわれた状態です。その一方で巣ごもり期間も長く、新たに創作活動を始めた人が増えている手応えもあります。そうした人たちにリアルな会場に参加し、作者と読者、あるいは作者同士が作品を介してコミュニケートする、即売会の原点の楽しみを知ってもらうことも今年のコミティアの目標としたいと思います。
なお今回からのサークル参加費やカタログ価格の改定を始め、今後も色々な部分で運用面の変更を計画しています。長期化するコロナ禍に備え、イベントの開催を継続するための方策として選択したものです。どうかご理解とご協力をお願いできれば幸いです。

そして、この1年繰り返しの報告となりますが、それぞれの事情で現場復帰できないスタッフも多く、今回も協力イベント団体のJガーデンや地方コミティアのスタッフ、そしてこのカタログの印刷をお願いしている緑陽社の社員の皆さんが応援に来てくれています。ご厚意に心から御礼を申し上げます。今回のカタログのスタッフ募集ページでは現場スタッフからの声を掲載しています。ぜひ仲間になって、一緒にコミティアを作ってもらえたら嬉しいです。

最後になりましたが本日は2787のサークル・個人の方が参加しています。
かつて映画「フィールド・オブ・ドリームス」で、「それを作れば、彼等はきっと帰ってくる」(意訳)という台詞がありました。映画で主人公が作るのは、トウモロコシ畑を潰した野球場。帰ってくるかつての名選手たち。そこから素敵なラストシーンへと続きます。
私たちは知っています。場所を作ること、守ることの大切さを。かつての当たり前が当たり前でなくなることが多い今、より痛切にそれを感じます。コミティアはけして用意されたものではなく、参加者がみんなで作ってきた場所です。この場を守り、さらに多くの作品が生まれる場となるために、あなたの積極的な参加をお待ちしています。

2022年2月20日 コミティア実行委員会代表 中村公彦

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