COMITIA141 ごあいさつ

COMITIA141+J.GARDEN52の初めての合同開催にようこそ。

こんにちは。もしくは初めまして。COMITIA141+J.GARDEN52の合同開催にようこそ。

コミティアの38年の歴史の中でも、他イベントと同日隣接開催はあっても、一つのホールの中で一緒に行う合同開催は初めてのことです。
とは言え、お相手は25年以上に渡りイベント協力の関係にある自称「兄妹イベント」の創作JUNE、BL作品オンリーの同人誌即売会「Jガーデン」。基本はどちらもオリジナル作品のみなので、相性は良いのではないでしょうか。
入場証替わりのカタログも、コミティアの『ティアズマガジン』とJガーデンの『ガーデンガイド』の合同カタログになります。記事の区別が付きやすいように『ガーデンガイド』の部分はクリーム系の紙色・紙質に替えてみました。それぞれの記事からイベントのカラーが見えて楽しめるかと思います。

今回、合同開催になった経緯はコロナ禍におけるイベントの会場事情や運営事情もあります。限られた条件の中から選んだのが、この合同開催というスタイルでした。正直に言うと、同じ同人誌即売会とは言え、それぞれの流儀や運営スタイルがあり、擦り合わせは簡単ではありませんでした。双方のメインのスタッフが週一で会議を重ね、様々なケースをシミュレーションして、「これは出来る」「これは出来ない」「ここはコミティアに合わせる」「ここはJガーデンに合わせる」と取捨選択と新しいアイデアを出しながら入念に準備をして、やっと実現したのが今日のイベントです。思った以上にサークル参加希望が多く、急遽追加で東8ホールを借りましたが、それでも一部に落選が出てしまったことは申し訳なかったです。

「合同開催をやる」と決めた時から合言葉になったのは「お祭りにしよう!」という目標でした。スタッフワークも大変なのは目に見えているけれど、この挑戦をポジティブに考えたかったのです。何より期待したのは参加者にとっての新しい出会い。コミティアの参加者がJガーデンのサークルの本を、Jガーデンの参加者がコミティアのサークルの本を、それぞれに触れることによる刺激や発見は必ずあると思います。
JUNE・BLジャンルの作品は、男性同士の恋愛や関係性を描くというテーマがあり、だからこそ繊細な表現や多様性に溢れ、このジャンルならではの熱と魅力があります。今日コミティアのサークルさんを目当てに参加した方も、ぜひJガーデンのエリア(東1ホール側/A~Rブロック)を歩いてみてください。きっとお気に入りの作品を見つけられると思います。思ってもみなかったような作品との一期一会の出会いこそ、リアルなイベントの魅力の1つです。

さて、今回の会場内企画は、第25回文化庁メディア芸術祭功労賞を受賞されたbelneさんの記念企画を行います。メインは師と仰ぐ竹宮惠子先生(リモート出演)との公開対談。そして新潟市「マンガの家」で行われた記念展示「新潟とマンガとマンガ教育 belneのコミックワークショップ」展も一日限りで移設してご覧いただけます。私・中村からのお祝いの言葉は前号の『ティアズマガジン』で書かせてもらいましたが(記念企画案内ぺージに再録)、今号では実地版コミックワークショップや教鞭をとった大学で多くの作家を育ててきたbelneさんの教え子や漫画家仲間の方々が、たくさんのお祝いメッセージを寄せてくれました(『ティアズマガジン141+GARDEN GUIDE52』P53~57/記念企画でも拡大展示)。それぞれのエピソードに登場するbelneさんは、多面的でありながら常に漫画に対する情熱がほとばしっており、まさにご本人そのもの。ぜひこの記念企画でこれまでの偉業と、その魅力に触れてもらいたいと思います。

あらためての本日の合同開催はコミティアのスタッフとJガーデンのスタッフが力を合わせて行います。それでも2イベント同時進行の手間の多さから人手が足りず、一方でコロナなどの事情で参加できないスタッフも多く、当日の応援に、地方コミティアのスタッフ、このカタログの印刷をお願いしている緑陽社の社員の皆さん、さらに今回は同じ同人誌印刷会社のねこのしっぽの社員の方々が来てくれました。皆様のご厚意に心から御礼を申し上げます。スタッフは切実に募集中なので、興味のある方はこちらをご覧ください。→コミティアスタッフ募集

最後になりましたが本日はコミティア:3305/Jガーデン:950のサークル・個人の方が参加しています。今回の合同開催に際し、何より参加者の皆さんにお願いしたいのは、新しい作家・作品との出会いに貪欲であって欲しいこと。私たちはその機会を用意しました。今日という日に、いつにも増して新たな出会いの喜びがあることを心から楽しみにしています。

2022年9月4日 コミティア実行委員会代表 中村公彦