るぅ1mm町内福引犬
- 職業…マンガや絵を描いたりデザインをする人
- 趣味…マンガや絵を描いたりデザインをすること
- コミティア歴…5年(6回)
- http://fukubikiken.web.fc2.com/
「マンガは小さい頃から一番楽しくて得意な遊びです」と語る、るぅ1mmさん。今年大学を卒業したばかりだが、在学中にプロデビューを果たし、多忙な日々を過ごしている。そんな彼女のこれまでの半生はマンガ一筋だ。
幼い頃から暇さえあれば絵を描き、幼稚園の頃にはマンガの真似事をしていたそうだ。小学生ではクラスで「マンガ係」を自主的に作り、定期的に4コマを発表。中学時代には「カゲロウプロジェクト」の二次創作にハマり、同作品のオンリーイベントで同人デビューした。この頃にはすでに「将来はマンガ家になるんだろうなって、根拠のない確信」があったそうだ。当時から使っているPNの「1mm」には「1日1mmずつでも良いから成長したい」という願いを込めた。高校は漫画研究会がある学校を第一条件に選んだ。そこで美大進学を目指すことになり、1年浪人した後に武蔵野美術大学の視覚伝達デザイン学科に入学を果たす。
コミティアを知ったのはその前後だ。「二次創作のイベントしか知らなかったので、これは出なきゃと思いました。0から創作する人たちが並んでいる会場を見て感動しました」。サークル初参加は18年5月のコミティア124。購入待ち列が出来る人気に驚かされた。「以前から見てくれていた人が多かったのかもしれません。お祭りがすごい好きなので、またコミティアに出たいと思いました」。20年7月、KADOKAWAよりコミックス『バースデイ』で商業デビュー。それまで同人誌で発表した作品含む短編集で、プロとして活躍していくきっかけにもなる。
代表作『怪獣くん』は、22年1月に卒業制作として発表したもの。中学校を舞台に、怪獣と人間のハーフの少女・このみと、過去の暴力事件をきっかけにクラスで孤立する少年・しんたろうの交流を描く。「初めて自分自身に向けた作品を作った」と言い、いじめについても考えさせられる意欲作だ。大きな話題を呼んだ同作は、9月には双葉社から商業版が発売された。
『怪獣くん』に限らず、描かれるキャラクター達は変だけれども純粋で、読んでいて〈「変」と思った自分が変なのでは…〉とハッとさせられる瞬間がある。そんなキャラクターや作品の根幹として「クオリア」というキーワードが挙げられた。脳科学や心理学用語で、例えば「赤」を見た時に、他者が全く同じ「赤」と感じているとは限らない…という概念のことだ。「作品内で感覚の壁をどこまで詰められるかに興味があります」。そこには大学でデザインを学ぶ中で感じた「私が作品で言いたいことの100%は読者に伝わらない」という気付きがある。だからこそ「自分の感覚や言いたいことが少しでも共有できたら嬉しい」と想いを込めて描く。
プロとしての人生は始まったばかり、創作意欲もやりたいことも膨大だ。「いま体があと20個ぐらい欲しい。半分は昼寝したり猫と遊んでたりすると思うんですけど(笑)」
幼い頃から暇さえあれば絵を描き、幼稚園の頃にはマンガの真似事をしていたそうだ。小学生ではクラスで「マンガ係」を自主的に作り、定期的に4コマを発表。中学時代には「カゲロウプロジェクト」の二次創作にハマり、同作品のオンリーイベントで同人デビューした。この頃にはすでに「将来はマンガ家になるんだろうなって、根拠のない確信」があったそうだ。当時から使っているPNの「1mm」には「1日1mmずつでも良いから成長したい」という願いを込めた。高校は漫画研究会がある学校を第一条件に選んだ。そこで美大進学を目指すことになり、1年浪人した後に武蔵野美術大学の視覚伝達デザイン学科に入学を果たす。
コミティアを知ったのはその前後だ。「二次創作のイベントしか知らなかったので、これは出なきゃと思いました。0から創作する人たちが並んでいる会場を見て感動しました」。サークル初参加は18年5月のコミティア124。購入待ち列が出来る人気に驚かされた。「以前から見てくれていた人が多かったのかもしれません。お祭りがすごい好きなので、またコミティアに出たいと思いました」。20年7月、KADOKAWAよりコミックス『バースデイ』で商業デビュー。それまで同人誌で発表した作品含む短編集で、プロとして活躍していくきっかけにもなる。
代表作『怪獣くん』は、22年1月に卒業制作として発表したもの。中学校を舞台に、怪獣と人間のハーフの少女・このみと、過去の暴力事件をきっかけにクラスで孤立する少年・しんたろうの交流を描く。「初めて自分自身に向けた作品を作った」と言い、いじめについても考えさせられる意欲作だ。大きな話題を呼んだ同作は、9月には双葉社から商業版が発売された。
『怪獣くん』に限らず、描かれるキャラクター達は変だけれども純粋で、読んでいて〈「変」と思った自分が変なのでは…〉とハッとさせられる瞬間がある。そんなキャラクターや作品の根幹として「クオリア」というキーワードが挙げられた。脳科学や心理学用語で、例えば「赤」を見た時に、他者が全く同じ「赤」と感じているとは限らない…という概念のことだ。「作品内で感覚の壁をどこまで詰められるかに興味があります」。そこには大学でデザインを学ぶ中で感じた「私が作品で言いたいことの100%は読者に伝わらない」という気付きがある。だからこそ「自分の感覚や言いたいことが少しでも共有できたら嬉しい」と想いを込めて描く。
プロとしての人生は始まったばかり、創作意欲もやりたいことも膨大だ。「いま体があと20個ぐらい欲しい。半分は昼寝したり猫と遊んでたりすると思うんですけど(笑)」
TEXT / YUHEI YOSHIDA ティアズマガジン142に収録