四方井ぬいよもぱらもよよ
- 職業…絵と漫画を描く人
- 趣味…散歩
- コミティア歴…コミティア126から
- https://twitter.com/yomoi__
環境に馴染めずパパ活で生計を立てる少女が、同じ孤独感を持つ女性と偶然出会い食卓を囲むことで安らぎを得る『まぶしい世界の暗がりに。』。四方井さんの作品では、ありふれた日常で暮らす主人公が、程度の違いはあれど悩みを抱えた状態で物語がスタートすることが多い。根本的な解決では無くとも、ささやかな幸せを通して明日への希望を抱いていく主人公の等身大の姿勢は、暖かさを感じさせる素朴な絵柄も相まって、微かな癒しを与えてくれる。
小さい頃から創作活動に親しんできた四方井さん。「小学5年くらいの時に、同級生全員を動物化して漫画を描いてたりしました」。中高生の時には一度は創作から距離を置くものの、Twitterで幼少期に親しんだ作家たちの作品を目にしたことで創作意欲が再熱。「オリジナルや二次創作のイラストとか、1ページの漫画をピクシブに上げていました」。その中で15年に投稿した作品が編集者の目に止まる。「漫画を作るにあたり、それまであまり考えなかった『他者に読まれること』を重視するようになりました」と、作家としての在り方に大きな影響を受けた。
コミティアへ初参加したのは18年。当初はイラスト集を発表していたが、21年のエアコミティア135で発表した『タオルケットの友達がいる女の子のお話』がSNSで好評を得てからは、短編の漫画作品に軸足を移した。日々の生活の中で感じるストレスから解放される居場所を描いた『タオルケット~』を始めとした初期の作品を描くきっかけは「自分自身のストレス」だったと語る。「描いている自分が現実世界で辛い状態にあっても、物語のキャラクターなら少しだけ救うことができる。それが自分の救いにもなってたんじゃないか、と思います」
一方で「娯楽として楽しんで読んでもらいたい」と、読者に寄り添う姿勢も忘れない。141で発表した『ラーの油を見に行く!!』は、ごく普通のラー油に隠された秘密を探るコメディ。「同時に発表した『まぶしい世界の暗がりに。』が全体的に暗めの雰囲気だったので、良いバランスが取れました」と話す通り、明るく楽しい作風を開拓した。また、最新作『探鉱ドワーフめしをくう。』では、「キャラクターをしっかり作る」ことを意識し、過酷な探鉱で働く金髪のドワーフを主人公に据えた異世界ものに挑戦。貧困からの脱却を夢見て休むことなく働きつつ、美味しいご飯から活力を得る姿を、ドワーフ目線からファンタジー風味に描いた。「最後に報われる瞬間を描きたかったので、主人公は厳しい境遇に置きました。けれど、それをあまり悩まない、辛さを気にしない性格にしました」と語るように、前向きな読後感が爽やかな作品だ。
現在は同人誌とともに、商業での活動を目標として漫画の執筆を続ける日々を送る。「漫画家としてはまだ30点くらい」と自己評価する四方井さんは、今後どのような作品を紡ぎ、共感を呼んでくれるのか。期待とともに、成長と変化を楽しみに待ちたい。
小さい頃から創作活動に親しんできた四方井さん。「小学5年くらいの時に、同級生全員を動物化して漫画を描いてたりしました」。中高生の時には一度は創作から距離を置くものの、Twitterで幼少期に親しんだ作家たちの作品を目にしたことで創作意欲が再熱。「オリジナルや二次創作のイラストとか、1ページの漫画をピクシブに上げていました」。その中で15年に投稿した作品が編集者の目に止まる。「漫画を作るにあたり、それまであまり考えなかった『他者に読まれること』を重視するようになりました」と、作家としての在り方に大きな影響を受けた。
コミティアへ初参加したのは18年。当初はイラスト集を発表していたが、21年のエアコミティア135で発表した『タオルケットの友達がいる女の子のお話』がSNSで好評を得てからは、短編の漫画作品に軸足を移した。日々の生活の中で感じるストレスから解放される居場所を描いた『タオルケット~』を始めとした初期の作品を描くきっかけは「自分自身のストレス」だったと語る。「描いている自分が現実世界で辛い状態にあっても、物語のキャラクターなら少しだけ救うことができる。それが自分の救いにもなってたんじゃないか、と思います」
一方で「娯楽として楽しんで読んでもらいたい」と、読者に寄り添う姿勢も忘れない。141で発表した『ラーの油を見に行く!!』は、ごく普通のラー油に隠された秘密を探るコメディ。「同時に発表した『まぶしい世界の暗がりに。』が全体的に暗めの雰囲気だったので、良いバランスが取れました」と話す通り、明るく楽しい作風を開拓した。また、最新作『探鉱ドワーフめしをくう。』では、「キャラクターをしっかり作る」ことを意識し、過酷な探鉱で働く金髪のドワーフを主人公に据えた異世界ものに挑戦。貧困からの脱却を夢見て休むことなく働きつつ、美味しいご飯から活力を得る姿を、ドワーフ目線からファンタジー風味に描いた。「最後に報われる瞬間を描きたかったので、主人公は厳しい境遇に置きました。けれど、それをあまり悩まない、辛さを気にしない性格にしました」と語るように、前向きな読後感が爽やかな作品だ。
現在は同人誌とともに、商業での活動を目標として漫画の執筆を続ける日々を送る。「漫画家としてはまだ30点くらい」と自己評価する四方井さんは、今後どのような作品を紡ぎ、共感を呼んでくれるのか。期待とともに、成長と変化を楽しみに待ちたい。
TEXT / MEI AMAMIYA ティアズマガジン145に収録