さわの森行モロヘイ屋

- 職業…介護福祉士
- 趣味…Tシャツの制作
- コミティア歴…2003年ごろから
- https://x.com/sawanomori

第二次世界大戦末期の1945年、死神様の使いである魔女と、死の宣告を受けた飛行機乗りを描く『45』シリーズ。オムニバス形式の同作をコミティアでほぼ15年間、コンスタントに発表し続けているのがさわの森行さんだ。ブレずに積み上げた冊数、実に33冊。コミティアへの参加歴も20年以上を誇る。「気負わず自分のペースで創作を楽しんでいるのが、長く続けられている理由です」
子供の頃から戦闘機の絵を描いていた。「父親によく自衛隊基地に連れていってもらっていた影響が大きく、自然と描き始めていました」。またもう一つ大きな影響を受けたのは、小学生の時に出会った、松本零士による第二次世界大戦をベースにしたアニメ作品『ザ・コクピット』。「テレビでたまたま観て『こんなすごい作品があるのか!?』って衝撃を受けました」。あまりマンガに触れてこなかったというさわのさんが、原作の単行本を買い揃えた数少ない作品の一つだという。
高校まではマンガを描く機会がなかった。それが変わるきっかけは『芸術部』という大学のサークルへの参加だった。「ずっと野球部で文化系に強い憧れがあって、大学デビューを機に思い切ったんです」。先輩に勧められ、流れでマンガに挑戦することに。「初めはペンの使い方やネームの切り方など全然わからなくて。一から描き方を教わりました」。この時、部誌内で割り当てられた「16ページ」という枠を、今に至るまで作品発表のスタイルとしている。「良い塩梅の読後感を出せるよう、試行錯誤できるページ数としてちょうど良かったと思います」。その後先輩に誘われ、コミティアに参加。最初の売上はわずか2冊だったが、「続き物を描いてしまったから、買ってくれた人に続編を届けなければ」と参加を続けた。
戦闘機をテーマとしたマンガを中心に執筆するなかで、『45』が生まれたのは08年。戦記ものに「魔女」というファンタジーの要素を加えた作品だ。「45年は特攻・原爆・終戦と、人の命が簡単に消える、本当に人間の嫌な部分や業が詰まった年。そんな状況にいる無名の兵士一人ひとりにも光を当てたかったんです」と、お気に入りの戦闘機を描きつつも、戦時を生きる人間ドラマを取り入れる作風を確立した。「続編を描きやすい一話完結にしたのも自分の性格に合っていましたね」。「日本編」「欧州戦線編」などと舞台を変え、さまざまな国と地域の「1945年」、そして「避けられない『死後(45)』を迎える人々」を描き続けている。
一つの作品をこれだけ長く続けている作家は、コミティアでも稀な存在だ。淡々と創作と向き合う姿は職人のようでもあるが、その一方「常に新しい読者にも作品を届けたい」と笑顔で話す。「総集編を除き100円で頒布しているのも、読んでもらいやすくするための当初からのこだわりです。まだまだ『45』は続きますので、ぜひ手に取ってもらいたいです」。さわのさんが一つ一つ積み重ね、広げていく世界を今後も見つめていきたい。
子供の頃から戦闘機の絵を描いていた。「父親によく自衛隊基地に連れていってもらっていた影響が大きく、自然と描き始めていました」。またもう一つ大きな影響を受けたのは、小学生の時に出会った、松本零士による第二次世界大戦をベースにしたアニメ作品『ザ・コクピット』。「テレビでたまたま観て『こんなすごい作品があるのか!?』って衝撃を受けました」。あまりマンガに触れてこなかったというさわのさんが、原作の単行本を買い揃えた数少ない作品の一つだという。
高校まではマンガを描く機会がなかった。それが変わるきっかけは『芸術部』という大学のサークルへの参加だった。「ずっと野球部で文化系に強い憧れがあって、大学デビューを機に思い切ったんです」。先輩に勧められ、流れでマンガに挑戦することに。「初めはペンの使い方やネームの切り方など全然わからなくて。一から描き方を教わりました」。この時、部誌内で割り当てられた「16ページ」という枠を、今に至るまで作品発表のスタイルとしている。「良い塩梅の読後感を出せるよう、試行錯誤できるページ数としてちょうど良かったと思います」。その後先輩に誘われ、コミティアに参加。最初の売上はわずか2冊だったが、「続き物を描いてしまったから、買ってくれた人に続編を届けなければ」と参加を続けた。
戦闘機をテーマとしたマンガを中心に執筆するなかで、『45』が生まれたのは08年。戦記ものに「魔女」というファンタジーの要素を加えた作品だ。「45年は特攻・原爆・終戦と、人の命が簡単に消える、本当に人間の嫌な部分や業が詰まった年。そんな状況にいる無名の兵士一人ひとりにも光を当てたかったんです」と、お気に入りの戦闘機を描きつつも、戦時を生きる人間ドラマを取り入れる作風を確立した。「続編を描きやすい一話完結にしたのも自分の性格に合っていましたね」。「日本編」「欧州戦線編」などと舞台を変え、さまざまな国と地域の「1945年」、そして「避けられない『死後(45)』を迎える人々」を描き続けている。
一つの作品をこれだけ長く続けている作家は、コミティアでも稀な存在だ。淡々と創作と向き合う姿は職人のようでもあるが、その一方「常に新しい読者にも作品を届けたい」と笑顔で話す。「総集編を除き100円で頒布しているのも、読んでもらいやすくするための当初からのこだわりです。まだまだ『45』は続きますので、ぜひ手に取ってもらいたいです」。さわのさんが一つ一つ積み重ね、広げていく世界を今後も見つめていきたい。
TEXT / RYOHEI NAKAYAMA ティアズマガジン151に収録