春めく季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
2月21日に行われた「エアコミティア135」のアフターレポートをお送りします。
リアルイベント中止は3度目、「エアコミティア」開催は4度目。慣れたような、慣れたくないような、複雑な気持ちもありますが、今回もツイッターのハッシュタグ「#エアコミティア」を利用して、たくさんの方に参加してもらえました。
新たにコミティア側で行った企画はエアコミティア135感想紹介アカウントの開設。「エアコミティア」という枠組みの中で、参加するモチベーションを上げるような、読み手と描き手を繋ぐ試みができないかと、スタッフが知恵を絞って企画しました。
9月の133ではスタッフ有志が一方的に感想をたくさん書いてUPする、ある種「濃く閉じた」形でしたが、今度は誰もが気軽に参加できるオープンな形で行いました(特典プレゼントつき)。
投稿された感想コメントはちょうど100本。作家さんの作品公開ツイートに引用リツイートで感想をUPするため、すぐに対象作品を読めるのが利点。アカウントはそのまま残りますので、ぜひ読んでみて欲しいです。
やってよかったのは、作家さんが感想コメントに気付いて、喜んでくれる様子が分かること。紙のティアズマガジンでは難しい、こうした即時性のある手応えはSNSならではですね。
こうしてオンラインイベントの新しい企画を練っていると、あらためて「コミティアらしさ」とは何かを否応なく考えます。その一つの答えが、リアルでもエアでも変わらず「描き手と読み手を繋ぐこと」でした。この基本をけして忘れずに、これからのことを考えてゆきたいと思います。
また、エアコミティアの開催に合わせて、昨年のクラウドファンディングの支援者・社一覧の公開も行いました。サイト上の約12000人(名前の掲載を希望されなかった方も含みます)のお名前をスクロールしてずっと見ていると、こみ上げてくるものがあります。このたくさんの人の「続けコミティア」という期待に応えられるように、決意を新たにさせてもらいました。本当に有難うございました。
さて、こうして頑張った成果か、この日は「#エアコミティア」が初めてツイッターの国内トレンド1位に輝きました。これまでコミティアを知らなかった人たちにも、これをきっかけに興味を持ってもらえたらと期待します。
実際に「エアコミティア」に参加してみると、この日をビッグサイトの会場で迎えられなかった悔しさや寂しさもありつつ、それでもオンライン上で皆さんと一緒の時間を過ごせたのは救いでした。
私自身は一日PCに張り付いて、読みたい作家や作品を検索したり、通販を申込んだり、感想を書いたり、好きなマンガを一日中読めて大いに楽しみました。閉会時にクラウドファンディングで作った内藤泰弘さんラベルのクラフトビールでエア乾杯した時の充実感は格別でした。
(余談ですが、出展企業の菓子工房 osanji time.
さんのエアコミティア135限定「てふや食堂さんコラボキッシュセット」「苺の食べ比べタルトセット」を通販して食べたら、めっちゃ美味しかった!)
コロナ禍が始まって約1年。人が集まるリアルイベントの開催が難しくなり、様々な部分でオンライン化が進んでいます。それが世間の趨勢とは言え、どうしてもオンラインでは置き換えられないものも残ります。
もちろんこれは同人誌即売会だけの話ではなく、文化全般の問題。音楽や演劇などのライブ表現は最たるものですし、そうした活動を支えてきたライブハウスやミニシアターなどの存続の危機も叫ばれています。
過日は、私・中村がWeNeedCultureという文化芸術の団体が主催した「#失くすわけにはいかない」というオンラインイベントにマンガ家のしりあがり寿さんと出演したり、IMART2021
国際マンガ・アニメ祭という、やはりオンラインの催しに登壇して、コロナ禍でのリアルイベントの苦闘を訴えるなどしました。
冒頭に「(エアイベントに)慣れたような、慣れたくないような、複雑な気持ち」と書いたけれど、いまは皆が試行錯誤しつつも、それぞれの「進化」を目指しています。現状ではオンラインに不自由な面が多くとも、遠からずより便利でより参加しやすいシステムが開発されるでしょう。「進化」は必要とされるから起こるのです。
リアルイベントもまた同様に、続けるには何らかの進化が求められるでしょう。今はそのための模索やチャレンジをする時期と考えています。それでも描き手と読み手が一対一で出会うという、即売会の原初の魅力が失われることはないと信じます。何故ならエアイベントを行う度に、「次はリアルで会いたいね」という気持ちが湧き上がるのが本音なのですから。
次回COMITIA136は6月6日開催予定です。コロナ禍の一刻も早い収束を願いつつ、しっかり準備を進めてゆきます。ご参加をお待ちしております。
●COMITIA136サークル出展申込
コミティア実行委員会代表 中村公彦